【アウトソーシングほっとニュース】 7月15日提出期限!高年齢者雇用状況等報告・障害者雇用状況報告の概要と提出時の確認事項

はじめに
7月は、労働保険の年度更新に加え、「高年齢者雇用状況等報告」と「障害者雇用状況報告」の提出時期でもあります。
これらの報告は、企業の雇用状況を把握するため、法令に基づき毎年実施されるものです。対象となる企業は、6月1日現在の状況を取りまとめ、7月15日までに提出する必要があります。
また、令和8年7月1日からは、民間企業の障害者法定雇用率が引き上げられます。
本記事では、両報告の概要や提出対象、報告書作成時の確認事項に加え、法定雇用率改正の概要について解説します。
1.提出対象・提出方法・提出期限
高年齢者雇用状況等報告と障害者雇用状況報告では、提出対象となる企業が異なります。一方で、基準日や提出先、提出期限などは共通です。
提出対象
報告名 | 提出対象企業 |
高年齢者雇用状況等報告 | 常時雇用する労働者21人以上の企業 |
障害者雇用状況報告 | 常時雇用する労働者40.0人以上の企業(令和8年度報告) |
共通事項
項目 | 内容 |
基準日 | 毎年6月1日現在 |
提出先 | 企業の主たる事業所(本社)で支社・支店・営業所等の状況を取りまとめ、本社を管轄するハローワークへ提出 |
提出期限 | 毎年7月15日 |
提出方法 | GビズIDまたは電子署名を利用した電子申請で提出できます |
※報告は事業所単位ではなく、企業単位で行います。
2.高年齢者雇用状況等報告とは
高年齢者雇用状況等報告は、高年齢者雇用安定法に基づく報告です。
企業における高年齢者の雇用状況や、高年齢者雇用確保措置等の実施状況を把握することを目的としています。
主な報告事項
- 定年制の状況
- 継続雇用制度の導入状況(65歳以下、65歳超)
- 創業支援等措置(65歳を超えて従事できる業務委託・社会貢献)
- 創業支援等措置の導入・改定予定
- 高年齢者の雇用状況
3.障害者雇用状況報告とは
障害者雇用状況報告は、障害者雇用促進法に基づく報告です。
企業における障害者の雇用状況を把握し、法定雇用率の達成状況を確認することを目的としています。主な報告事項
- 常用雇用労働者数
- 障害者である労働者数
- 実雇用率
- 法定雇用率の達成状況
令和8年7月から障害者法定雇用率が引き上げられます
令和8年7月1日から、民間企業の障害者法定雇用率は次のとおり引き上げられます。
項目 | 令和8年6月30日まで | 令和8年7月1日から |
法定雇用率 | 2.5% | 2.7% |
雇用義務の対象企業 | 常時雇用する労働者40.0人以上 | 常時雇用する労働者37.5人以上 |
なお、令和8年度の障害者雇用状況報告は、6月1日現在の状況を報告するものです。
そのため、令和8年度の報告対象は40.0人以上の企業ですが、令和9年度以降は37.5人以上の企業が新たに報告対象となります。
4.報告書作成時の確認事項
報告書を作成する際は、次の点を確認しましょう。
(1)集計は6月1日現在の状況で行う
報告対象となるのは、毎年6月1日現在の雇用状況です。提出日時点ではなく、基準日時点の状況で集計します。
(2)企業全体で集計する
本社だけでなく、支社・支店・営業所等を含めた企業全体の状況を、本社で取りまとめます。
(3)障害者雇用状況報告は、記入要領に沿って算定する
障害者雇用状況報告では、「短時間労働者」(週所定労働時間20時間以上30時間未満)の取扱いや、身体障害者・知的障害者・精神障害者の区分によって算定方法が異なります。
また、重度障害者については、法令に基づき一定の算定上の特例が設けられています。なお、重度身体障害者、重度知的障害者又は精神障害者のうち、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の者は「特定短時間労働者」とされ、通常の短時間労働者とは異なる取扱いとなります。
集計を行う際は、厚生労働省の記入要領を確認しながら算定しましょう。
(4)前年の報告内容と比較する
前年の報告内容から大きな変動がある場合は、集計漏れや算定誤りがないか確認しておくと安心です。
提出期限直前は問い合わせが集中することもあるため、各事業所から必要な情報を早めに収集し、余裕をもって準備を進めましょう。
※厚生労働省:障害者雇用状況報告記入要領
※厚生労働省:高年齢雇用状況等報告記入要領
5.提出に関する留意事項
高年齢者雇用状況等報告および障害者雇用状況報告は、いずれも法令に基づき提出が求められている報告です。提出期限までに提出されない場合には、ハローワークから提出を促す連絡が行われることがあります。
障害者雇用状況報告については、障害者雇用促進法に基づく報告義務が定められており、報告徴収に応じない場合や虚偽の報告を行った場合には、同法の罰則規定の対象となることがあります。
また、障害者雇用促進法では、法定雇用率が未達成であり、行政からの障害者雇入れ計画の作成勧告や指導等に従わない企業に対して、企業名を公表する制度があります。
高年齢者雇用安定法では、高年齢者雇用確保措置に関する指導や勧告に従わない場合には、企業名を公表することができるとされています。
6.まとめ
高年齢者雇用状況等報告および障害者雇用状況報告は、毎年実施される法定報告です。
対象企業は、毎年6月1日現在の状況を、本社で企業全体分を取りまとめ、本社を管轄するハローワークへ、電子申請、郵送または来所のいずれかの方法で7月15日までに提出する必要があります。
また、令和8年7月1日からは、民間企業の障害者法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、障害者雇用義務の対象企業も37.5人以上へ拡大されます。
対象企業は、今回の報告への対応とあわせて、法改正の内容についても確認し、適切に対応を進めましょう。
この記事を書いたのは・・・

社会保険労務士法人エスネットワークス 社会保険労務士 T.Y レストランでの接客から人事労務の世界へ転身しました。難しくなりがちな労務の話も身近に感じてもらえるようにお届けしていきます。