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【アウトソーシングほっとニュース】 6月は「外国人雇用啓発月間」です。

 


厚生労働省では、毎年6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」を標語に、外国人労働者の適正な雇用管理や不法就労防止に関する周知・啓発を行っています。

近年、外国人労働者数は増加を続けており、多くの企業で外国人材の活用が進んでいます。一方で、事業主には外国人雇用状況の届出や在留資格の確認、適切な雇用管理など、法令に基づくさまざまな対応が求められています。

本稿では、外国人雇用に関して事業主が押さえておきたい法的義務や実務上の留意点について解説します。

1.外国人雇用状況の届出(法的義務)

外国人雇用に関する事業主の義務として、まず押さえておきたいのが「外国人雇用状況の届出」です。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、事業主は外国人労働者を雇い入れたとき、または離職したときに、ハローワークへ届け出なければなりません。


(1)届出の対象者

日本国籍を有しない方のうち、次の方を除き届出の対象となります。

  • 特別永住者
  • 在留資格「外交」の者
  • 在留資格「公用」の者


(2)確認すべき事項

届出に当たっては、在留カードや旅券(パスポート)の提示を受け、次の事項を確認する必要があります。

なお、氏名については、日常生活で使用する通称名ではなく、在留カード等に記載された本名で届け出る必要があります。

確認項目

留意事項

氏名

在留カード等に記載された本名を確認する

在留資格

在留カード等の記載内容を確認する(特定技能は分野、特定活動は活動内容も確認)

在留期間(満了日)

在留期限を確認する

生年月日・性別

在留カード等の記載内容を確認する

国籍・地域

在留カード等の記載内容を確認する

在留カード番号

在留カードに記載された番号を確認する

資格外活動許可の有無

留学生等の場合は許可内容や期限を確認する

届出を怠った場合や虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となる場合があります。


(3)届出方法と期限

対象区分

使用する様式

届出期限

雇用保険被保険者

雇用保険被保険者資格取得届・資格喪失届

雇入れ:翌月10日まで離職:離職日の翌日から10日以内

雇用保険被保険者以外

外国人雇用状況届出書

雇入れ・離職ともに翌月末日まで


2.適正な雇入れ実務と新制度への対応

外国人を雇用する際には、在留資格の範囲内で就労可能であることを確認し、不法就労を防止することが重要です。


(1)在留カードの確認

在留資格や就労可否の確認に当たっては、在留カードを確認するとともに、必要に応じて出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」を活用することが有効です。

同アプリケーションでは、在留カードのICチップ情報を読み取ることができ、偽変造の有無を確認する際の参考となります。


(2)特定在留カードの運用開始への対応

令和8年(2026年)6月14日から、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用が開始されます。

特定在留カードでは、従来の在留カードとは確認事項の表示方法等が異なるため、人事担当者は事前に制度内容や確認方法を把握しておくことが望まれます。


(3)公平な採用選考

採用選考に当たっては、国籍のみを理由として応募を制限することなく、応募者本人の適性や能力に基づいて判断することが重要です。

また、在留カードの提示については、個人情報保護の観点から、採用内定後に確認することが適切とされています。

3.外国人労働者に対する適切な雇用管理

事業主は、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に基づき、外国人労働者が安心して働ける職場環境の整備に努めることが求められています。

主な内容は次のとおりです。


(1)適正な労働条件の確保

外国人であることを理由として、賃金や労働時間その他の労働条件について差別的な取扱いを行うことは認められません。

また、雇入れ時には労働条件を記載した書面を交付するとともに、外国人労働者が内容を理解できるよう、母国語や平易な日本語等による説明に努めることが望まれます。

最低賃金についても日本人労働者と同様に適用され、食費や居住費を控除する場合には、実費相当額を勘案した適切な取扱いが求められます。


(2)安全衛生の確保

労働災害を防止するためには、外国人労働者が理解できる方法による安全衛生教育が重要です。

母国語による説明や図解、多言語教材の活用などにより、安全衛生に関する知識を確実に習得できるよう配慮することが求められます。

また、現場で使用する基本的な日本語や安全に関する合図等の習得を支援することも重要です。


(3)労働保険・社会保険の適用

労働保険および社会保険については、国籍にかかわらず加入要件を満たす場合には適切に加入手続きを行わなければなりません。

また、帰国時に利用できる脱退一時金制度などについて、必要に応じて周知することも望まれます。


(4)解雇等の予防と再就職支援

外国人労働者についても、日本人労働者と同様に安易な解雇や雇止めは認められません。

やむを得ず離職となる場合には、本人の在留資格等にも配慮しながら、再就職に向けた必要な支援を行うことが求められます。


(5)旅券・在留カードの保管禁止

事業主が外国人労働者の旅券(パスポート)や在留カードを預かり、保管することは認められていません。

トラブル防止や人権保護の観点からも、本人による適切な管理を徹底することが重要です。


(6)雇用労務責任者の選任

外国人労働者を常時10人以上雇用する事業所では、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に基づき、雇用管理に関する責任者(雇用労務責任者)を選任することが求められています。

雇用労務責任者は、外国人労働者の雇用管理に関する事項を適切に管理し、職場環境の整備や各種手続きが適正に行われるよう対応します。

4.相談窓口およびセミナーのご案内

外国人雇用に関する制度や手続きについて不明な点がある場合には、各種相談窓口や支援機関を活用することができます。

(1)外国人雇用サービスセンター

外国人雇用サービスセンターでは、専門的・技術的分野の外国人材や留学生の採用に関する相談に対応しています。

東京・愛知・大阪・福岡に設置されており、求人申込みや採用活動に関する支援を受けることができます。

(2)多言語相談窓口

外国人労働者向けには、多言語で利用できる相談窓口が設置されています。

事業主としても、外国人労働者から相談先を求められた場合に備え、こうした窓口を把握しておくことが望まれます。

  • ハローワークコールセンター
  • 労働条件相談ほっとライン
  • 外国人労働者向け相談ダイヤル

(3)令和8年度 外国人労働者雇用管理セミナー

東京労働局では、外国人労働者の適正な雇入れや雇用管理をテーマとした「外国人労働者雇用管理セミナー」を動画配信形式で実施しています。

  • 配信期間:令和8年6月1日~6月30日
  • 申込方法:東京労働局ホームページからオンライン申込み

外国人雇用に関する最新の制度や実務上の留意点を確認する機会として活用できます。


※各都道府県労働局によって開催形式や期間が異なる場合があるため、詳細は管轄の労働局にご確認ください。

5.さいごに

外国人労働者の雇用は、人手不足への対応や事業活動の維持・発展において重要性を増しています。一方で、在留資格の確認や外国人雇用状況の届出、適切な雇用管理など、事業主にはさまざまな対応が求められます。

特に、外国人雇用状況の届出や不法就労防止に関する対応は法令上の義務であり、適切な運用が不可欠です。

外国人雇用啓発月間を機に、自社の採用手続きや雇用管理体制について改めて確認し、適正な外国人雇用の推進につなげていきましょう。


【出典元】

厚生労働省「外国人雇用啓発月間」
厚生労働省「外国人雇用状況の届出制度」
外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針
出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション」
出入国在留管理庁「特定在留カード制度」


この記事を書いたのは・・・

社会保険労務士法人エスネットワークス                  社会保険労務士 T.Y                          レストランでの接客から人事労務の世界へ転身しました。難しくなりがちな労務の話も身近に感じてもらえるようにお届けしていきます。

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