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【アウトソーシングほっとニュース】「選ばれる」会社をつくるために。 厚生労働省より「多様な働き方ガイドブック」が公表されました

労働力不足が深刻化し、少子高齢化によって人材確保がますます厳しさを増す中、企業が持続的に成長を続けるためには、働き手から「選ばれる会社」になることが不可欠です。
内閣府の調査では、働く人々の半数以上が「私生活とバランスがとれる仕事」を理想として挙げており、仕事と私生活の両立を重視する傾向が強まっています。こうした変化に対応し、従業員一人ひとりのニーズに応じた柔軟な働き方を整えることは、もはや避けて通れない経営課題といえます。
さて、この度、厚生労働省より、多様な働き方の導入を検討する企業の皆さまに向けた「選ばれる会社をつくる多様な働き方ガイドブック」が公表されました。ガイドブックでは、中小企業でも取り入れやすい具体的な制度や施策が、導入事例とともに分かりやすく紹介されています。
・多様な正社員制度の紹介:「働く時間」「働く場所」「職務内容」を柔軟に選択できる、短時間正社員、勤務地限定正社員、職務限定正社員の仕組みを解説しています。
・柔軟な勤務体制の提示:選択的週休3日制、フレックスタイム制、テレワーク制度など、具体的な取り組み手順が網羅されています。
・導入によるメリットの可視化:採用における応募者の増加、定着率の向上、業務効率の改善など、実際に制度を導入した企業の「生の声」が掲載されており、自社での活用イメージを具体化できます。

1. 多様な働き方の本質的な定義

 労働市場における力関係が働き手へとシフトした現代、企業にとって「多様な働き方」の導入は単なる福利厚生の拡充ではありません。それは、従業員のライフステージや個々の事情に応じ、以下の3つの軸を「雇用区分(制度)」として柔軟に選択できる仕組みを整えることを指します。
・働く「時間」:短時間正社員、選択的週休3日制、フレックスタイム制など
・働く「場所」:勤務地限定正社員、テレワーク(在宅・サテライト・モバイル)など
・「職務内容」:職種や業務範囲を限定した職務限定正社員

2. 働く人々の意識変化と構造的課題

 今、企業が直面しているのは、単なる人手不足ではなく「働く側の価値観の構造的な転換」です。これに対応できない組織は、市場から淘汰されるリスクを抱えています。内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査)」の結果は、その変化を如実に物語っています。「どのような仕事が理想的か」という問いに対し、54.9%もの人が「私生活とバランスがとれる仕事」と回答しました。これは、依然として高い「収入が安定している仕事(61.8%)」に肉薄しており、私生活の充実が仕事を選ぶ上での「絶対条件」になりつつあることを示しています。
 また、働き手は、人生の様々なフェーズで以下のような柔軟性を求めています。
👶 子育て: キャリアを断絶させず、勤務時間の短縮や転勤回避により、成長を見守りながら成果を出したい。
👵 家族の介護: 通院付き添いやケア調整と並行し、在宅勤務などを活用して貢献を続けたい。
👴 高齢者: 豊かな知見を維持しつつ、体力や生活リズムに合わせて長く社会と接点を持ち続けたい。
🏥 病気治療: 通院や体調に合わせて場所や時間を調整し、安心してパフォーマンスを発揮したい。
📈 ステップアップ: パート・アルバイトから正社員へ挑戦したい、あるいは専門領域を深めるために職務を限定したい。

3. 多様な働き方を実現する「3つの柱」と施策

 多様な働き方は、フルタイム・残業・転勤ありという「従来型正社員」の枠組みを解体し、制度として再構築することから始まります。「多様な正社員」制度は、 時間・場所・職務のいずれかが限定されているものの、正規雇用としての安定性とキャリア形成の機会を担保する雇用区分です。

選択の軸具体的な制度(施策)特徴(メリット)
働く「時間」短時間制正社員、選択式週休3日制、フレックスタイム制育児・介護・病気治療・自己啓発など、時間制約があるなかでの継続雇用を実現する。
働く「場所」勤務地限定社員、転勤有無の選択、テレワーク居住地の自由を担保し、仕事と介護の両立や全国からの採用を可能にする。
「職務内容」職務限定社員専門性の追求を可能にし、ジョブ型雇用によるキャリアの安定を提供する。

4. 企業と労働者の「Win-Win」の関係

 多様な働き方の導入は、組織と個人の双方にポジティブな連鎖をもたらします。特筆すべきは、非正規雇用から「多様な正社員」へのステップアップを可能にすることで、社内人材の高度化が図れる点です。

企業側のメリット労働者側のメリット
①採用競争力の圧倒的強化全国から、あるいは潜在的な優秀層からの応募が増える。①ワーク・ライフ・バランスの実現生活設計に合わせた柔軟な働き方で、心身の豊かさを享受できる。
②離職率の低下と定着率向上出産や介護による離職を防止し、技能の蓄積・承継を促す。②確かなキャリア形成と雇用の安定事情があっても正社員として成長でき、帰属意識が高まる。
③組織全体の生産性向上時間管理意識の醸成、業務共有の推進により効率が上がる。③経済的保障の享受短時間勤務であっても社会保険が適用され、将来の安心が得られる


5. おわりに:未来へ向けた「最初の一歩」

 多様な働き方の導入は、人事制度のマイナーチェンジではありません。それは、変化の激しい時代において組織を再定義する「成長戦略そのもの」です。最初から完璧な制度を目指す必要はありません。まずは自社の従業員がどのような不安を抱えているか、耳を傾けることから始めてください。また、行政による強力なサポート体制も整っています。働き方改革推進支援センターでは、社会保険労務士などの専門家による無料の個別コンサルティングを提供しており、実務面での不安を解消できます。
 これまでの「当たり前」を脱ぎ捨て、多様な個性が尊重され、その力が最大限に引き出される職場を創り上げること。それこそが、これからの日本社会において、真に強く、そして長く愛される組織の礎となるのです。

 「自社にどの制度が適しているのか分からない」「就業規則の改定をどう進めればよいか」といった不安をお持ちの経営者・人事担当者の皆さま、ぜひお気軽に当法人へご相談ください。私たちが、貴社の実情に合わせた最適な「多様な働き方」の実現を力強くバックアップいたします。


社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K


事業会社での人事労務キャリアを活かし、社会保険労務士として活動中。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、専門家の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。



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