【アウトソーシングほっとニュース】新卒採用で重視した能力は「コミュニケーション能力」が約8割
「日本の人事部」さんは、毎年、全国の企業が抱える人事課題や施策の方針などについて幅広く調査を行い、その結果をまとめた『日本の人事部 人事白書』を発刊されています。6月25日に、人事白書2025から「2025年卒採用の選考にあたり特に重視した能力」に関する調査レポートが公開されましたので、ご紹介します。
調査結果のポイント
最も割合が高かったのは「コミュニケーション能力」で、82.0%となっています。
以下、「協調性」(56.4%)、「誠実性」「主体性」(共に46. 3%)、「チャレンジ精神」(44. 4%)、「ストレス耐性」(43. 6%)、「地頭」(30. 2%)、「リーダーシップ」(12.5%)と続きます。
出典:『日本の人事部 人事白書2025』(以下、同じ)
従業員規模別に見ると、トップに挙げられた「コミュニケーション能力」は、いずれの規模でも約8~9割が挙げており、重視される能力であることがわかります。「ストレス耐性」と「リーダーシップ」は従業員規模が大きいほど重視されており、5001人以上の企業ではそれぞれ64.0%、36.0%となっています。
また、業種別に見ると、I T・通信・インターネットで「チャレンジ精神」(62. 3%)と「地頭」(54. 1%)を重視する割合が高い点が注目されます。
コミュニケーション能力とは
さて、「コミュニケーション能力」とは、単に話す力や聞く力だけでなく、相手の意図を理解し、適切に反応する能力を指し、具体的には、以下の要素が含まれます。
●発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
●傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
●対話力:相手の話を理解し、自分の意見を明確に伝える力
●柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
●適応力:状況に応じて柔軟に対応する力
●チームワーク:チームでの協力や共同作業を円滑に進める力
●状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
●問題解決力:コミュニケーションを通じて問題を特定し、解決策を見つける力
企業が「コミュニケーション能力」を重視する理由は、職場での円滑な人間関係や効率的な業務遂行に直結するためです。特に新卒採用では、これらの能力が将来の成長や成功に不可欠とされています。このように、コミュニケーション能力は単なる話術ではなく、職場での実践的なスキルとして評価されます。
この記事を書いたのは・・・
社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員