6月は外国人雇用啓発月間です～知って、守って、みんなで活躍～

日本では国際化の進展に伴い、外国人労働者の数が年々増加しています。一方で、不法就労や労働条件の不備といった課題も依然として存在しています。こうした状況を受け厚生労働省は毎年6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、外国人労働者の適正な雇用管理に関する啓発活動を全国的に展開しています。

外国人雇用啓発月間とは

　現在の日本では、少子高齢化に伴い、外国人労働者の存在がますます重要になっています。2025年現在、外国人労働者数は過去最多を更新し続けており、多くの分野で活躍していますが、雇用が不安定な場合や、労働・社会保険関係法令が遵守されていない事例などが見受けられます。
　これを受けて政府は外国人材の受入れ・共生のための取組みを推進するため、外国人の雇用についてさまざまな対策を実施しており、外国人雇用啓発月間では外国人の雇用や外国人労働者の雇用維持・再就職援助などについて積極的な周知・啓発活動が行われます。

2025年のテーマと取り組み

　2025年のスローガンは「知って、守って、みんなで活躍」。厚生労働省はポスターやパンフレットを通じて、外国人雇用のルールをわかりやすく伝えるとともに、企業向けのセミナーや相談窓口の設置など、実践的な支援も行っています。

実施内容

　期間中、全国の労働局やハローワークでは以下のような取り組みが行われます。

①ポスター・パンフレットの作成・配布
厚生労働省が作成した「外国人雇用啓発月間」のポスターが、ハローワークなどに掲示されます。関係機関や事業主団体を通じてパンフレット等が事業主などへ配布されます。

②事業主団体などを通じた周知・啓発、協力要請
厚生労働省等の公的機関により、事業主団体などに対し、適正な外国人雇用に関する積極的な周知・啓発を行うよう協力要請が行われます。特に、外国人の雇い入れと離職の際にすべての事業主に義務付けている「外国人雇用状況の届出」がより徹底されるよう、事業主への周知が図られます。

③各種会合における事業主などに対する周知・啓発
都道府県労働局、ハローワークはこの月間中に「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」（外国人雇用管理指針）などについての外国人雇用管理セミナーの開催を予定しています。また、その他の事業主が集まる会合において関係資料の配布や助成措置について、周知・啓発が行われます。

④個々の事業主などに対する周知・啓発、指導
都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークは、事業主などに対し、さまざまな機会を利用して外国人の雇用・労働条件に関する取り扱いの基本ルールについて、情報提供や積極的な周知・啓発、指導を行います。特にハローワークでは、外国人雇用管理指針に基づき、外国人労働者の雇用管理改善指導などを積極的に実施されます。

⑤技能実習生の受入れに関する事業主などへの周知・啓発、指導
都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークは、技能実習制度に基づいて技能実習生を受け入れている事業主および監理団体に対し、外国人雇用の基本ルールの遵守が求められること等の周知・啓発が行われます。また不法就労活動や技能実習生に対する労働搾取目的の人身取引についての調査が実施され、違反の場合には指導や送検が行われます。

⑥留学生就職支援窓口等の周知
外国人雇用サービスセンター・留学生コーナーで、それぞれの専門性を活かして留学生の就職支援を行っていること、また求職者が仕事の探し方等について相談できる「ハローワークコールセンター（多言語窓口）」や、全国のハローワークの窓口で利用可能な電話通訳サービス「多言語コンタクトセンター」を活用した多言語対応による外国人求職者の職業相談ができることなどに関し周知が行われます。

⑦労働条件などの相談窓口の周知
外国人労働者の方からの相談に的確に対応するため、「外国人労働者向け相談ダイヤル」「労働条件相談ほっとライン」などで、13言語（英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語、韓国語、タイ語、インドネシア語、カンボジア語（クメール語）、モンゴル語）により、労働条件などの相談を受け付けていること、また「総合労働相談コーナー」で、職場におけるハラスメントや解雇などのトラブルに関する多言語での相談を受け付けていることなどの周知が行われます。