【アウトソーシングほっとニュース】6月は全国安全週間の準備月間です
2025年度の「全国安全週間」は、7月1日から7日まで実施されます。6月は、全国安全週間の準備月間とされており、職場の安全意識を高め、労働災害防止の取り組みを強化するための準備を行う重要な期間です。
労働安全衛生法
「労働安全衛生法」は、職場における労働者の安全を確保し、快適な職場環境を提供することを目的として、1972年に労働基準法から分離独立した法律です。
高度成長期における労働災害の急激な増加から、変化する労働環境に合わせ、現在まで様々な改正がなされており、2015年にストレスチェックが義務化され、2019年には、健康管理の観点から、高度プロフェッショナル制度対象者を除くすべての労働者の労働時間の状況を把握することが義務付けられました。
全国安全週間と全国労働衛生週間
職場における安全衛生活動を推進するうえで重要な位置付けにあるのが、「全国安全週間」と「全国労働衛生週間」です。全国安全週間は、労働災害防止活動の推進を図り、安全に対する意識と職場の安全活動のより一層の向上に取り組む週間です。一方、全国労働衛生週間は、働く人の健康の確保・増進を図り、快適に働くことができる職場づくりに取り組む週間です。
2025年度全国安全週間の概要
2025年度全国安全週間のスローガンは「多様な仲間と 築く安全 未来の職場」で、現代の多様化する職場環境における安全意識の向上を目的として選ばれました。このスローガンに決定した背景と理由は、主に以下の3つです。
①労働災害の増加傾向
近年、転倒や腰痛、墜落・転落などの労働災害が増加しており、特に休業4日以上の死傷災害が前年を上回る見込みとなっています。この状況を改善するため、労働災害防止対策の強化が求められています。
②多様な働き方の広がり
働き方改革や技術革新により、職場には多様なバックグラウンドを持つ人々が集まるようになりました。外国人労働者や高齢者、障害者など、さまざまな人々が共に働く環境が増えているため、安全対策も包括的な視点で考える必要があります。
③第14次労働災害防止計画の推進
2023年に策定された第14次労働災害防止計画に基づき、労使が協力して安全対策を推進することが求められています。このスローガンは、その計画の一環として、職場の安全意識を高めるために選ばれました。
そして、今年のスローガンには、次のような意味が込められています。
●「多様な仲間と」 ・・・職場には異なる経験や価値観を持つ人々が集まります。互いに理解し合い、協力することで、安全な職場環境を築くことができます。
●「築く安全」 ・・・安全は一人の努力ではなく、職場全体で協力して作り上げるものです。労働者、管理者、企業が一体となり、安全対策を実施することが重要です。
●「未来の職場」・・・ これからの職場は、より多様性を受け入れ、誰もが安心して働ける環境を目指すべきで、未来志向の安全対策を促すメッセージが込められています。
このスローガンのもと、全国安全週間及び準備期間中に、職場の安全意識を高める活動が展開される予定です。詳しくは、こちらをご覧になってください。
この記事を書いたのは・・・
社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員