【アウトソーシングほっとニュース】初任給30万円時代へ~人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果(経団連)~
日本経済団体連合会(経団連)は1月21日、「2024年 人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」を公表しました。この調査は、春季労使交渉・協議の結果や、人事・労務に関するトップ・マネジメントの意識・意見などを調査するため、1969年から毎年実施されているもので、調査結果は、主に「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)の重要な参考資料として活用されています。
経労委報告については、1月28日の記事をご覧ください。
調査の項目は、次のとおりです。
●労使交渉・協議等における議論と結果
●初任給
●エンゲージメント
●高齢社員の教育・研修制度
●障害者雇用
●採用方法の多様化
●博士人材の採用・雇用状況
●若手社員の活躍推進について
●両立支援
●副業・兼業の推進
大卒初任給の引き上げ
上記項目の中から、注目度の高い「初任給」を取り上げてご紹介します。
調査結果によりますと、2024年度に大卒の初任給を1万円以上引き上げた企業は73%で、うち12.3%の企業が3万円以上引き上げています。
さて、政府の賃上げ要請に呼応するように、経団連に加盟する大企業を中心に初任給の引き上げが加速しており、大卒初任給で月30万円台に乗せる企業も相次いでいます。人材不足を背景に学生優位の売り手市場が続く中、各社は高水準の給与条件で優秀な人材確保につなげる狙いです。
ファーストリテイリングは2025年3月の給与改定で新卒社員の初任給を33万円にします。明治安田生命保険は2025年4月入社で33.2万円(全国転勤あり、固定残業代込み)と2年連続で引き上げ、東京海上日動火災保険は2026年4月に入社する大卒の初任給を最大で約41万円(転勤と転居を伴う場合)と大幅に引き上げます。大和ハウス工業は新卒社員の初任給を大卒で月額25万円から35万円に引き上げ、厳しい採用環境の中、人財獲得を目指すとしています。
初任給を30万円以上に引き上げる主な企業は下表のとおりです。
社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。