【アウトソーシングほっとニュース】パーソル総合研究所が「人事トレンドワード2025-2026」を発表

2025年も人事分野ではさまざまな動きがありましたが、人事担当者の皆さんにとって印象に残ったトピックは何でしょうか?
さて、企業の人事担当者に向けて意思決定に役立つ情報発信を続けるパーソル総合研究所さんでは、2022年から、毎年12月にその年を振り返り次の一年を見通す上で、人事分野において注目される「人事トレンドワード」を選定し、発表しています。
2025〜2026年の人事分野を展望する上で象徴的な動きを表すワードとして、《管理職の罰ゲーム化》、《「年収の壁」緩和》、《生成AIのインフラ化》の3つが選ばれました。
人事トレンドワードの発表は今回で4回目です。これまでに選定されたワードは次の通りです。

3つのワードに共通するテーマ:再構築(リバランス)
《管理職の罰ゲーム化》、《「年収の壁」緩和》、《生成AIのインフラ化》という3つのワードは、管理職、社会保障、テクノロジーという異なる領域で起こった動向を象徴したものです。しかし、共通しているのは、いずれも「再均衡(リバランス)」の動きであるという点です。これまでの社会が維持してきたベクトルが、現実の変化の中で均衡点を変えようとしている動きが始まっているといえます。
・管理職問題:負荷と権限の再配分
・年収の壁問題:就労インセンティブと社会保障の均衡
・AI問題:人間と技術の役割分担の再設計
管理職の役割は重責化し、パートタイム労働者は「年収の壁」による働き控えを余儀なくされ、生成AIの普及が業務の前提を変えつつあるなか、人事の世界では「再均衡(リバランス)」がキーワードになり、人と組織のバランスを再設計する課題が重要になっていくのではないでしょうか。
管理職は「罰ゲーム」? 企業に迫るリーダー不足
近年、管理職の役割が「権限と報酬を伴う花形」から「責任過重で報われない役割」へと変化しています。
ハラスメント防止や多様化対応でマネジメント難易度が上がり、昇進による報酬増も限定的。結果、管理職希望者が減少し、企業の競争力低下が懸念されます。
対応のヒント:評価・育成・業務管理を分散し、管理職の孤立を防ぐ仕組みづくりが重要です。
「年収の壁」緩和でパート就業に変化
パートタイム労働者の「働き控え」を生む税・社保制度の壁。2025年税制改正で「103万円の壁」が「160万円」に引き上げられましたが、社会保険の「130万円の壁」は未解決です。
企業への影響:労働力不足の中、就業調整を防ぐための労働時間設計やキャリアパス提示が求められます。
生成AIは「業務の前提」に
AIは「導入するか否か」から「業務の前提」へ。採用・評価・分析の効率化だけでなく、AI活用スキルを評価する制度設計が必要です。
注意点:情報管理や評価制度の整備を怠ると、労務リスクが高まります。
社労士法人としてできること
《管理職の罰ゲーム化》と《「年収の壁」緩和》に関連して、社会保険労務士の立場でご提案できることをまとめてみました。エスネットワークスでは、貴社のご事情に合わせて人事労務領域のご支援を提供いたしますので、課題をお持ちの企業様はぜひお問合せください。
■管理職の負荷軽減支援
・役割再設計コンサルティング
管理職業務の棚卸しと分担案の策定(評価・育成・業務管理の分散)
・評価制度の見直し
「管理職=罰ゲーム化」を防ぐため、権限・報酬・責任のバランス調整。
・管理職研修
ハラスメント防止・多様化対応・フォロワーシップ育成をテーマにした研修。
■パート就業の柔軟化支援
・「年収の壁」対応ガイドライン作成
税制・社保制度の最新情報を踏まえた労働時間設計。
・就業調整防止のためのシミュレーション
年収別の社会保険・税負担試算を提供。
・キャリアパス設計支援
パート社員の正社員登用制度や研修プランの策定。
・就業規則改定
柔軟な働き方を可能にする規定整備。

社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。