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【アウトソーシングほっとニュース】「キャリアブレイク白書2025」が発表されました

11月は「キャリアマンス(Career Month)」に寄せた記事を投稿しています。
最近、「キャリアブレイク」という言葉をメディアで頻繁に見かけるようになりましたが、皆さんはいかがでしょうか。
今回は、一般社団法人キャリアブレイク研究所(所在地:神戸市垂水区、代表理事:北野貴大)が2025年10月に発表した「キャリアブレイク白書2025」をもとに、働き方の新しい選択肢としても注目される「キャリアブレイク」について考えてみたいと思います。

キャリアブレイクとは

 「キャリアブレイク白書2025」では、キャリアブレイクを「今まで中心的に活動してきたキャリアの役割を手放すことによって、新しいキャリアの役割に向け自分と社会を見つめなおしている期間」のことと定義しています。
 ここで、定義におけるキャリアという用語は、「ライフキャリア」を意味しています。ライフキャリアの役割ということになりますので、その範囲は仕事だけではなく、人生の様々な役割がすべて含まれます。従って、キャリアブレイクとは、稀な現象ではなく、多くの人にとって身近なものです。今後、ライフキャリアの多様化は一層進んでいくと考えられ、そうすると、キャリブレイクの対象者も増加していくことになると思います。

ワークキャリアとライフキャリア

 ところで、キャリアという言葉には、「ワーク(職業)キャリア」と「ライフ(人生)キャリア」という2つの意味があります。ワークキャリアは、どのような職業に就くか、どのような会社で勤務するか、どのような仕事をしたいのかなど一連の職業生活に関わることを意味しています。一方、ライフキャリアには、人生のライフイベントすべてが含まれます。私たちは職業生活だけで生きているわけではなく、家庭生活や地域生活、市民生活なども私たちの人生の中で大きな比重を占めています。さらには、結婚、出産、育児、病気、介護などの様々なライフイベントは、仕事に対して、さらに人生に大きな影響を与えます。このようにワークとライフを切り離して考えることは不自然であり、ワークがライフの一部だとすれば、ワークキャリアはライフキャリアに包含されると考えます。
 社会を生き抜く、人生を充実させるという観点からは、キャリアを広く捉え、キャリアとはライフキャリアのことと定義するのがよさそうです。キャリアをワークキャリアとして考えれば、確かに見かけ上、離職や休職は、キャリアの中断や空白(ブランク)にも見えます。しかし、キャリアをライフキャリアとして考えれば、仕事という役割はあくまでキャリアの一部に過ぎないのですから、キャリアが中断することも空白になることもあり得ません。

「キャリアブレイク白書2025」のポイント

  • 35人に1人が1ヶ月以上のキャリアブレイクを経験。
  • キャリアブレイク決断のきっかけとして「心身の不調(燃え尽き・うつ)」が58.5%、決断までの期間は平均的に6ヶ月以内。
  • キャリアブレイク開始時の貯金額は500万円以上が31%、収入源の半数が失業手当や公的資金。
  • キャリアブレイクに対して周囲の約48%が肯定的、35.4%が中立的と回答。
  • キャリアブレイク中の行動は、「休養・睡眠」が70%以上、「内省」「人間関係の見直し」「趣味・創作活動」「旅行」なども広く実施。
  • キャリアブレイク経験後、35.7%が異業種に転職、21.2%が復職。年収は半数が低下、24%が変わらず、25%が上昇。 
  • キャリアブレイクには約47%が「大変満足」、33.4%が「満足」で、約8割が肯定的。他人に勧めたいという人は96.4%に上る。
  • 有識者のコメントより
     荒谷大輔氏(慶應義塾大学):「キャリアブレイクは哲学の実践」
     石山恒貴氏(法政大学):「キャリアブレイクの社会的意義が鮮明に」
     片岡亜紀子氏(早稲田大学):「“余白”が個性を引き出す」
     鈴木おさむ氏(スタートアップファクトリー):「人生、一度立ち止まって、選択する」
     鈴木寛氏(東京大学):「人生100年時代の新しい生き方」
     前野隆司氏(慶応義塾大学):「キャリアブレイクは、幸せな状態に近づく有効な機会」

社労士法人としてできること

 キャリアブレイクを人事施策として取り入れることの効果やメリットは以下の通りです。
●社員の心身リフレッシュ:燃え尽き抑制やメンタルヘルス改善につながる。 
●キャリア自律・リスキリング:大学院進学や専門学習に活用でき、中長期の人材育成の一環となる。
●離職防止・定着促進:「辞めずに戻る選択肢」を提供し、企業と社員との信頼関係を強化。
●イノベーション・多様性:異なる経験や視点が組織に新たなクリエイティビティをもたらす。

 私たち社労士法人エスネットワークスは、企業の人事・労務支援だけでなく、働く個人のキャリア形成にも寄り添う存在でありたいと考えています。
 当法人では、キャリア支援制度の設計・運用に関するご相談を承っております。人事制度との連動や、法令遵守の観点からのアドバイスも可能です。キャリアブレイクができる制度は、社員の自己成長・企業のエンゲージメント双方に資するWin‑Winの人事施策です。働き方が多様化し、ウェルビーイングの実現が求められるなか、11月のキャリアマンスを契機に、個人・組織・社会が「立ち止まることの価値」を再認識し、キャリアブレイクについても考えてみませんか。 



社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K

事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。

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