【アウトソーシングほっとニュース】「労働移動の積極的な推進」実現に向けたアクションプランを発表(経団連)
毎年11月は「キャリアマンス(Career Month)」、キャリア形成を社会全体で考える月間です。企業にとっても、社員のキャリア形成支援を強化する絶好の機会です。
キャリアマンス2025のテーマは「変化する時代の働くと生きるを考える」ですが、まさに日本は今、急速なデジタルトランスフォーメーション(DX)・グリーントランスフォーメーション(GX)の進展や人口減少に伴い構造変化に直面しています。
こうした中、経団連は11月10日に「『労働移動の積極的な推進』実現に向けたアクションプラン」を発表し、円滑な労働移動が実現できるよう企業も国も雇用システムの変革を急がなくてはならないと主張しました。とりわけ社内における労働移動を促進するためには、社員の主体的なキャリア形成を支援する取り組みが重要であると強調しています。
円滑な労働移動に向けた課題
企業が持続的な成長を実現するためには、新たな成長事業・分野への円滑な社内労働移動を促進し、全体の生産性向上を図ることが重要です。
そのために、働き手には、「人生100年時代」到来による職業人生の長期化を見据え、自身の適性・能力・スキルに基づく主体的なキャリア形成意識の醸成が求められます。一方、企業には、自社の人事戦略と働き手本人の意向を踏まえながら、さらなる学び・学び直しにつながる「仕事と学びの好循環」の実現を図ることが求められています。また、その実現に向けては、社内公募制やFA制度など学び・学び直しの成果を発揮できる社内制度の構築・整備が不可欠です。
経団連が示す取り組み(面談を通じたキャリア形成支援)
経団連は、企業が優先して取り組むべき事項として、上司や人事部門、またキャリアコンサルタントとの面談を通じて社員の主体的なキャリア形成を促進する仕組みづくりを挙げています。これは、従来の“会社任せのキャリ””から脱却し、社員が自らのキャリアを主体的に考え、行動できる環境を整えることを目的としています。具体的には、以下のような内容です。
・定期的なキャリア面談の実施
上司やキャリアコンサルタントが、社員の希望やスキルを把握し、キャリアの方向性を共に考える場を設ける。
・キャリアコンサルティングの活用促進
国家資格キャリアコンサルタントを社内外で活用し、専門的な視点からキャリア形成を支援する。
・学び直し(リスキリング)機会の提供
DX・GX対応のスキル習得を支援し、社内異動や新しい職務への挑戦を後押しする。
社労士法人としてできること
経団連が発表したアクションプランは、企業が「人への投資」を強化し、社員のキャリア自律を支援するための指針となり得ます。キャリアマンスをきっかけに、企業内でキャリア面談やキャリアコンサルティングを積極的に導入し、社員の成長と企業の競争力向上を両立させていきましょう。
私たち社労士法人エスネットワークスは、企業の人事・労務支援だけでなく、働く個人のキャリア形成にも寄り添う存在でありたいと考えています。
当法人では、貴社の人材戦略を一歩前進させるために、以下のようなお手伝いをさせていただきます。社員の主体的なキャリア形成に向けて、企業としてできる取り組みを一緒に考えてみませんか?
キャリア面談制度の設計支援
面談の頻度、評価との連動、キャリアコンサルタントの活用方法を具体化
キャリア形成支援の社内研修
上司向け「キャリア面談スキル研修」、社員向け「キャリアデザイン研修」
助成金活用のアドバイス
人材開発支援助成金など、キャリア形成支援に使える制度の紹介

社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。