【アウトソーシングほっとニュース】 社宅・寮の現物給与 10月1日からの変更点

社宅・寮の現物給与 10月1日からの変更点
会社が社宅や寮を提供している場合、その住まいの価値は原則として現物給与(げんぶつきゅうよ:お金以外の形で支払われる給与)として、健康保険・厚生年金保険の保険料の計算に含めることになっています。ただし、従業員から家賃(社宅使用料)を徴収している場合は、その分を差し引いて計算します。
この住宅の現物給与の計算方法が、令和8年10月1日から変わりました。主な変更点は次の3つです。
・計算の単位が「畳1畳」から「1平方メートル(㎡)」に変わった
・計算に含める範囲が「生活用の部屋だけ」から「住宅の総面積」に広がった
・都道府県ごとの単価が改定された
変更点1:「畳」から「平方メートル」へ
令和8年9月30日までは「居住用の部屋の畳数 × 1畳あたりの金額」で計算していました。令和8年10月1日からは「総面積(㎡)× 1㎡あたりの金額」で計算します。
変更点2:台所やお風呂も面積に含めます
【令和8年9月30日まで】
居間、寝室、客間、書斎、食事室など、生活するための部屋(居住用の室)だけが対象でした。玄関・台所・トイレ・浴室・廊下などは含めていませんでした。
居間、寝室、客間、書斎、食事室など、生活するための部屋(居住用の室)だけが対象でした。玄関・台所・トイレ・浴室・廊下などは含めていませんでした。
【令和8年10月1日から】
住宅の床面積の合計(総面積)が対象です。玄関・台所・トイレ・浴室・洗面室・廊下なども含めて計算します。
住宅の床面積の合計(総面積)が対象です。玄関・台所・トイレ・浴室・洗面室・廊下なども含めて計算します。
ただし、次の部分は除きます。
・別の建物になっている物置や車庫
・寮の共用スペースなど、他の人と共同で使っている部分
変更点3:都道府県ごとの単価が変わりました
単価は都道府県ごとに定められており、今回すべての都道府県で改定されました。単価だけを見ると下がったように見えますが、単位が「畳」から「㎡」に変わっております。全都道府県の単価は、日本年金機構の「全国現物給与価額一覧表」でご確認いただけます(記事末尾の参考リンクをご覧ください)。
月額変更届が必要になる場合があります
今回の改正による金額の変化は、「固定的賃金(こていてきちんぎん:基本給や住宅手当など、毎月決まって支払われる給与)」の変動にあたります。
そのため、変動があった月から継続した3か月間に支払われた報酬の平均額をもとに計算した標準報酬月額が、これまでと比べて2等級以上違う場合は、「被保険者報酬月額変更届(月額変更届)」の提出が必要です。
計算するときの注意点
・使う単価は勤務地の都道府県:社宅の所在地ではなく、従業員が勤務する事業所がある都道府県の単価を使います。派遣社員は、派遣先ではなく派遣元の都道府県の単価です。
・家賃を徴収している場合:現物給与の金額から本人負担額を差し引いた残りを報酬に含めます。
・月の途中で入居した場合:1か月分の金額を、入居日以降の日数で日割り計算します。
・健康保険組合に加入している場合:組合の規約で別の定めをしていることがあるため、加入している組合にご確認ください。
会社として確認しておきたいこと
・社宅・寮ごとに、賃貸借契約書や間取り図などで総面積を確認する
・給与計算ソフトなどの現物給与の金額を、10月分から新しい金額に切り替えているか確認する
・月額変更届の対象者がいないかチェックする
・社宅に住む従業員の方へ、保険料が変わる可能性があることを説明しておく
社宅・寮の現物給与の計算方法や社会保険の手続きなど、ご不明な点やお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
(参考)
全国現物給与価額一覧表
全国現物給与価額一覧表
この記事
を書いたのは・・・
社会保険労務士法人エスネットワークス
社会保険労務士K・E
労働保険事務組合での実務経験を活かし、女性ならではの視点で、相談しやすく寄り添ったサポートを心がけています。